残暑御見舞 [夢ログ]

きのうツクツクボーシが鳴いた。
箱根を境にして東と西で夏の印象が決定的に異なるのは蝉時雨の音色がちがうからだ。
つまり東のほうはミンミンゼミが主役だけれど、西のほうはシャーシャーと鳴くクマゼミがやかましい。それが夏の風情のちがいを際だたせる。

7月に石垣島へ行ったとき久々にクマゼミの暑中見舞いをスコールのように食らった。
こっちへ戻ったら天気が悪く雨か曇り空ばかりだったが、8月も半ばを過ぎてやっと夏らしくなり、ミンミンゼミが朝の目覚ましになった。
それと同時に選挙戦が佳境に入り、街宣の音量が日に日にやかましい。

今朝は夢のなかでシャーシャーシャーと激しく鳴く声で飛び起きた。久しぶりの夢だった。
東のほうへ来て早ン十年、はじめて、これまでとは決定的にちがう夏の終わりを迎えられる、カナカナカナカナ


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真木準 [条件反射]

ぼくは十数年来新聞をとっていない。
ので、いつものようにタブロイドの日刊紙を130円で買って全国紙の縮小版もどきを食事といっしょに摂ろうと、月島をぶらついていた。
晴海通りと清澄通りの交差点で信号待ちをしている間に新聞をところどころ見やっているそのとき、衝突した。「真木準さん死去」

真木準が死んだ。いや、真木準も死んだ。清志郎さえ死んだ。
ぼくが好きだった人。仕事上のお手本になった人。たった一度か二度しか会ったことはないが遠い記憶が一瞬甦った。
「ボーヤハント」という名コピーで売れたビデオカメラを持ってサイパンの離島の海辺で遊んだときに出会ったこと。フリーになってから乃木坂あたりで偶然出会って何か話しあったこと。
とくにつきあいがあったわけでもないが、かけがえのない人と時代を失ったような気がして、梅雨晴れが疎ましかった。

もっと書くべきことはあるのに、つづく、か

夜があけ今日になったら、マイケル・ジャクソンが死んだという話でもちきりだ。ファラ・フォーセットも死んだと。真木準さんの急死はその陰に隠れてしまったが、ぼくにとってはこちらのほうが重い。

それにしても同世代の訃報が続く(マイケルはずっと若いが)。
戦後のベビーブーマーの世代(団根世代ともいわれるらしい)がここにきて一挙に間引きされている気がしてならず穏やかでない。アラ還と揶揄される年代になって、たしかにひとつのぶ厚かった環が閉じられようとしている。気配がある。少なくない仲間が鬼籍に入ったし、そうでなくても病気や経済破綻に見舞われ、気がつけばあたりは死屍累々だ。

あかん、どんどん気が滅入ってくる。
平和にどっぷり浸かって育つと案外寿命が短くなるのかもしれない。いや反乱もあった。広告業界にこの世代が圧倒的に多い(多かった)のもそれが遠因になっている。そのなかで早くから頭角を現わし登りつめたのが真木準だった。
平和のなかであるいは十分生きたということもできる。
さよなら真木準 さらば広告
梅雨はいつあけるのかなあ
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早とちり 2) [条件反射]

米軍の前線兵士には黒人やヒスパニック系の非白人が圧倒的に多いといわれる。
国家の守り手であり暴力装置の先っぽを、被差別者や貧者、失業者が担っているというムジュンした事実。軍というものが彼らを吸収し救済する安全弁になっているということでもある。

軍が国家の正規の守り手とすれば、わが方の町の八九三は裏の自警団だった。八九三もまた、はぐれ者や流れ者、異国人、兵隊くずれ、そして失業者たちの受け皿だった。住民たちがおもて向き厄介視しながらも内心頼りにしていたのは子どもにもわかった。子どもらや若いもんの度が過ぎる逸脱を許さなかったのも彼らだった。

子どもの頃の八九三のイメージはいまでいえばフーテンの寅さんに近いものだった。寅さんはテキヤだがまぎれもない八九三だ。
あの阪神大震災の救援活動でいちばん頼りになったのが警察でも自衛隊でもなく地元の八九三だったことはあまり知られていない事実である。
八九三はまがりなりにも住民の生活に根ざしていたし知恵でもあった。

が、軍は外に向けた意図的な暴力装置であり、うち向けには目くらましの安全弁だ。
平和憲法でもないアメリカ憲法をしきりに強調しながらアフガニスタンへの再侵攻を主張する背後に、来たるべき大失業時代を想定した隠れたネラいがあるのではないか。
それが気になって早とちりをやっちゃったわけだけれど、あとで気が重くなる条件反射だった。

早とちり [条件反射]

今日になってオバマ大統領就任演説の詳細に目を通したら、昨夜のリアルタイムの印象および中継の事実関係の把握にだいぶ勘違いがあった。
やはり急いてはアレだ。引っ込めて、ちゃんと整理し書き直そう、と再考。

オバマ大統領就任演説は翻訳記事をちゃんと読めばもっともで、文句のつけようのない全方位の世界回復宣言だった。ダイジョブ、マイフレンド

ファシズムと紙一重の熱狂にクールダウンを図ったのか、退路を断ったのか、開けたのか。
リアルタイムでセレモニーを見ていたときには単に八方美人のノーテンキ(ノーチェンジ)にしかみえず、なにを言いたいのかわからずガッカリしたが、じつは爪を隠しているなあと再認識した。ことに憲法のくだりでは。

憲法を守護するにも爪がいる。米は軍だろうが、おいらの町にはかつて八九三がいた。

つづく

有楽町と宝クジとK-20(2) [条件反射]

けっきょく入場料1,800円で、宝クジの臨時名目収入もサヨナラ、サヨナラ。

全席指定席です!と、もぎりのおねえさんが強調するからまあそんなお代かと素直に階上の館内に入ると、それにしては空席が多い。あの小行列はなんだったのか?
それでも白髪頭だけは予想どおりやたらと多い。

怪人20面相は往年のヒーローというかヒールだし、懐かしさで思わず子どものように吸い込まれちゃった白禿頭が多いんだろうなあ。わたしみたいに。ああサーカス小屋、と、感慨を深くしながら予告編などを見せられていた。すると不意にだった、思いがけないメッセージが目ん玉に飛び込んできた。

「毎月1日、映画の日は1,000円!シニア(60歳以上)はいつでも1,000円」

一瞬、目ん玉が¥になった。世界の本当をはじめて理解したのだった。

あのもぎりのおねえさんはなんでひとこと言ってくれなかったのだ。
イイほうに考えてもワルいほうに考えても身の程を知る出来事だった。
映画のほうはまさしくサーカスで、入ってよかったが。

有楽町と宝クジとK-20 [条件反射]

歯医者に行ったついでに有楽町へ出て、数寄屋橋の宝クジ売り場で年末ジャンボの当たり券というかハズレ券の確認をした。

この売り場は大当たりが日本一多いというのが評判で、発売期間中はいつも数百人が列を成す。そこに並んだことはまだないが、クジの結果を確認しようなんてケチな列を見たこともない。通は自分で確認するだろう。

閑散としてはいたが有楽町のゲンをかついで希望を託すと「キャッホーやったぜ」カウンターに3200...と数字が並ぶ。それいけもう5桁と期待したが4桁で終わった。が、3,200円だ。上出来じゃないか。

しかし考えてみると投資が3,000円じゃんと気がついた、スカ喜び。まあ銀行に預けるよりはましだったか、と、気を取り直し有楽町マリオンをくぐって帰ろうとしたところ、マリオンのなかの映画館の入場券売り場あたりで閑散とはいえない人だかりに出会った。

並んでいる大半は見るからに高齢者だ。映画館の看板にはK-〇0とある。なんだなんだ、厚労省あたりの前期高齢者まやかし映画か?おれは高齢者じゃないぞと思いながらもよく見ると「K-20 怪人20面相伝」とある。なんだかヘンな気分になり抵抗しながらも"怪人20面相"のタイトルの誘惑に逆らえず宝クジの数字の余韻もあって行列の最後尾に並んでやった。

つづくや

あした5月24日(土)はなんの日? [条件反射]

井上直さんの個展の日程を失念というかカン違いをしていた。
今日になってふとしたことからいただいていた案内状が目に入り確認したところドッピャッピー、明日までじゃん。あわててとるものもとりあえず急行し、弁解がましい理由など並べたてたものの言ってて空しい。あとの祭り。

本来ならとっくにこの場で紹介、宣伝していたはずなのに、と思うと悔やまれる。そんなわけで遅まきながらのご報告です。
今回は大型の作品がずっしりと2点、中型が2点、小型が6点(勝手にへんな言い方のサイズですいません)で、壮観というか荘重な趣き。主旋律はこれはたぶん原発かなあ、「白衣」との対位法でさまざまな変奏がくり返されている。なにか伽藍のなかで中世(テーマは現在だと思うが)の音楽を聴いているような、すぐ隣りの未来へタイムスリップしたような気持ちになった。

客はわたしのあとにすぐ2〜3人がやってきてかなり盛況の様子。聞けば今回は300人以上が訪れているとのこと。前回の「ヒポカンパス」のときよりも多いと。はは。宣伝するまでもない。ややお疲れの様子だったが、手厚く ^^;)もてなしていただきありがたかった。

明日、24日(土)が最終日です。ぜひ時間がある方は訪れてみてください。(と、つみほろ星)

井上 直 展
5月12日(月)〜5 月24日(土)11:30〜19:00(最終日17:00 まで)

場所■ ASK? art space kimura/アスク・アートスペース キムラ
104-0031 東京都中央区京橋3-6-5 木邑ビル2F
Tel 03-5524-0771/ Fax 03-5524-0772

●営団地下鉄銀座線「京橋駅」2番出口より徒歩1分
●都営浅草線「宝町駅」4番出口より徒歩2分
●JR「東京駅」八重洲南口より徒歩10分(1階に南天子画廊あり)


ペットのサイトを立ちあげました。 [ネット海]

このところペットのポータルサイトをつくる仕事に追われアッ ハッピーブログのほうをすっかりサボってしまった。
やっと今日プレオープンにまでこぎつけお披露目ができた。
ボクはとくにペットが好きでも嫌いでもないけれど、ペット愛好家の情熱というのは計り知れないものがありますね。じつはア ハッピーブログでもそのあたりの凄みというか親ばかぶりを存分に発揮しているmonkeyさんに引きずられて深入りしてしまったわけですが、ペット愛好家たちの熱気と勢いにあてられ久しぶりの充実感を味わった。

そんなわけでア ハッピーブログにご参加のみなさまにもぜひご覧いただければ、と宣伝させていただきます。
ペットギャラリー「FAN2

ちなみにやはりこの世界はドッグ派が多くいまのところドッグ中心ですが、詩人や作家はキャット派が多く苦情が出たりしています。
キャット派のみなさまもぜひ参加したりかまってやってくださいね。

沖縄・今帰仁村(なきじんそん)、写真レポート [条件反射]

今帰仁村(なきじんそん)は、その名のとおり誰でも帰りたくなる(たぶん)ような小さな懐かしい村でした。その魅力をお伝えできますかどうか。携帯で、しかも解像度を間違って低く設定してしまったためピンボケ気味で、名手jinbeiのようにはいきませんでしたが、ご愛嬌ということで。(小さい画像はクリックするとやや拡大できます)
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今帰仁村天底(あめそこ)付近から今帰仁村古宇利島(こうりじま)方面を望む
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屋我地島ビーチ
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古宇利島大橋手前
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古宇利島大橋付近
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古宇利島大橋から
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古宇利島入口ビーチ
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古宇利島から天底方面
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古宇利島沿岸の森

今帰仁村内だが「古宇利島」では珍しい民家
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さとうきび畑を抜けると
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古宇利島のヘンな蝶々
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島の不思議な空間
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古宇利島の道路
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島のさとうきび畑。実際は島の大半がさとうきび畑。
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島の変わった花
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ご一緒したyagiさん、kumaさん、kanaiさん
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ご一緒したhachikaiさん、fujimaruさん、oqx1

サウスバウンド本編 [条件反射]

前フリが長いのはこの映画館も同じで、コマーシャルやら予告編をだらだらと30分ぐらい流すので意気込みがすっかり萎えてしまう。
そのせいもあっただろう。映画がはじまってしばらくしてもなかなかその世界に入り込んでゆけない。饒舌なわりにはセリフがこわばっているし、間がわるいし、全体のテンポもぎくしゃく。主人公の豊川悦司は好きな俳優だけどなんかわざとらしいし。最初の「ナンセンス」のひとことには氷ってしまった。天海祐希はともかく、吉田日出子も加藤治子も平田満も出てくるのにちっともノレない。「家族ゲーム」のときのチョイ役だった太田光みたいなヘンな存在感もないのだ。

イライラ、ムズムズする居心地の悪さのなかで席を立つタイミングをはかっていた。ところがそのタイミングを未練がましくずるずる引き延ばしたのが幸いした。
一家が沖縄に移住したあたり、映画も半ばにさしかかっていたが、俄然精彩を放ちはじめたのだ。沖縄の島の生命感に満ちた背景もあるが、登場人物たちの個性、魅力が際立ってきて、セリフもテンポもストーリーも生き生きと輝きはじめた。それからはグングンと物語の世界に引き込まれ、笑いも涙も素直に湧きあがり「ナンセンス」という言葉も溌剌として聞こえてきた。イリオモテヤマネコのような珍種というか絶滅種の人物と夫婦、親子をめぐるお伽話の・ようなリアリズムではあったけれど面白かった。それにしても「みんな、お父さんを見習うな。お父さんは極端だからな。」には笑った。

うーむ、森田監督は移住前、移住後のギャップをわざとヘタとウマの映画表現で演出してみせたのかもしれない。もうひとつ気になった謎があるがそれは書かないでおこう。

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